現世と異世界六花【元スロ外伝】

結城らぴ

08 焼き鳥

 二人と無言で歩いて、多分少し経ったと思う。さっきの事故が頭から離れなくて魂を探すのも忘れていた。あの『今から向こう側に行きまぁーす!』と間抜けな顔で大きく手を振っていた彼の姿が連続的に思い浮かぶ。すごく申し訳ないけどちょっとだけ笑いそうになった。しかし複雑な気持ちなのは一緒。