元最強魔法使いは森の中でスローライフ

ウィング

第十九話「HIIRO」

王国は魔法によってボロボロになっていた。
俺は国の騎士団に行った。
そこではウィング団長の剣が置いてあり、新しい団長の自戒さんがこの団を仕切っていた。
ゴジラさんがふらっと歩いていたので俺はそこに声をかけ、
「すいませんゴジラさん。HIIROって人をご存知ですか。」
「あ~HIIROくんね。今日は忙しいから家の塔に潜ってるってよ。」
「その塔っていうのはどこですか?」
「塔はここから南にあるよ。」
「ありがとうございます。」
俺は足早にこの場を去った。
そしてその塔の中に入った。
「すみません、HIIROさんって人はいますか?」
塔の中で大声で言う。中は意外と筒抜けで、でっかい螺旋階段があるだけだった。
俺はその上に何かあると思い、階段を全速力で走った。
「あれ?どうしたんですかKOHA9さん。」
HIIROさんは後ろを向いたまま俺に話しかけた。
「ウィング団長の指示できた。どうした?」
「はっはーなるほどね。まあ座って。」
そこにあるソファーを指差した。
「まあ俺のユニークマジックは時の守護だ。好きな時空を行き来し、行き来させることができる。しかし代償もある。
例えば時間に行けるのは1人だけ。2人以上が同時に同じ時空に飛ぶことは不可能。
また、かなりの魔力保持者じゃないとこの術はかけられないこと、まああなたなら大丈夫。
3つ目は高確率で前の世界の記憶が消えること、4つ目は低確率で時空の間に迷い込み、そのまましんでしまうことかな。」
しれっと最後とんでもないこと言ってたな。
「もうこの世界に興味なんてない。その条件のみこもう。」
「はーい。ところでどこまで飛ぶ?六花さんが死ぬ前から?」
「いや、せかいと戦う3日前からにしてくれ。」
「はーい。」
そう言うとHIIROは塔の中の怪しげな機械を操作して、呪文をぶつぶつ唱えてた。
機械の中から大量の光が差す。
「ここからいろんな苦悩があるかもしれないけど、頑張れ。」
俺は目を瞑った。

「KOHA9、起きて。」
そこにはぱぴこがいる。
「KOHA9さん。野宿の護衛ちゃんとして。」
あれ?なんかこの風景懐かしい気がする。おかしいな。毎日見てるのに。
「わりぃ。悪夢を見た。」
「へーどんなの?」
「なんか俺たちせかいに負けて、俺以外みんな死ぬ夢。」
「なにそれ変な夢wwwでも言ったから正夢にならないよ。」
そうぱぴこが言うと。俺は急に何故だか涙が出てきた、このままこの世界が続くといいな。
そのためにはセカイを殺さなくてはいけない。平和のために。俺のために。
そう決意すると、今まであった全てのことを思い出した。
決戦で六花が死んだこと。ウィングを殺したこと、時空を超えこの世界に来たことを。しかし六花が死んでからふーたんを殺すまでの記憶がない。
なんでだ?あ。そう言うことか。
「ふぁぁぁぁ、あ、KOHA9起きてたん?。」
ライファーだ。
「もう、KOHA9さんと私は野宿の護衛で起きてたの。」
ぱぴこがそう教えると、ライファーは「あ、そっかありがとな。」と言った。
そんなことを話していると、国の騎士10人くらいが俺たちの所に来た。
「ウィッスWORLDの皆さ~ん。」
ウィングは俺たちに呑気な声で話しかけてきた。
「俺たちはこれからセイクルシュティア王国に向かう。お前たちは何してんの?」
「ああ、俺たちは魔王軍の幹部の最後の1人、らぴくすを倒しに行く。
あ、そうだ思い出した。あのらぴくすは魔王のところに向かう門を持っているんだった。
めちゃくちゃ雑魚いんだが、永久に召喚されるから厄介なんだった。
ーー三日後ーー
ついにこの日がやってきた。らぴくす討伐当日。決起会議のため、全員で集合した。
「え~こいつを倒せばこの世界を束縛する魔王を倒すことができる。やるぞ!」
俺たちはらぴくすを倒しに行く。
そして何事もなくらぴくすの支配する国へ来た。
そうだ。らぴくすのコアを破壊すれば召喚を解除できる。
「確かそこは...」
俺は城に向かわず、朽ち果てた教会に向かった。
「おい?どうしたんだ?ここに何があるって言うんだ?」
俺はライファーに
「この下に奴のコアがある。破壊していくぞ。」
そう言いながら壁に寄りかかったらレンガが奥に押し込まれ、隠し通路が開く。
前は無理やり行ったけどここに隠し通路があったなんてな。
階段を進んでいくと、結界に守られた結晶がある。
「ジスク」
Kがすぐに消し去った。これで奴らのコアを破壊できた。
「よし、城に行くぞ!!」
俺はみんなに城に行くよう促した。
「まって、なんで魔力感知不能の魔法が施されてたのにすぐ分かったの?
そう疑われた。まあ疑うのも無理はない。
「ただの感だ。」
俺はそう言った。ぱぴこは信じていない様子だった。まあ本当のこと言った方が信じないけど。
俺たちは城に向かった。