元最強魔法使いは森の中でスローライフ
ウィング
第十五話「魔法使い勝負」
そこに登場した救世主は甘堕さんだった。
「甘堕さん何でここにいるんですか?」
俺はつい聞き返したが、それと同時にあの人の魔力を思い出した。
「君、いきなり現れてどうしたのかな?もしかして転移魔法持ち?そしたら困るね。」
あいつに勝てる方法...あの魔法を使うか
春キャベツは俺たちに向かって雷魔法を放った。しかし甘堕さんによって作られた結界魔法によって弾かれた。
「甘堕さん、ありがとう。あとは俺がケリをつける。」
ーー最上級炎帝魔法ーー
炎帝魔法とは炎の剣を敵の頭から降り注ぐ技である。
ーー失敗ーー
え?魔力構築がキャンセルされた?一体何故?
「ははは、君がやりたかったのは炎帝魔法かな?君たちがうだうだしている間にユニークマジックが起動できちゃったよ。」
「お前のユニークマジック?」
「そうだ、特別に教えてあげるよ。俺のユニークマジックはトリックスター。相手の魔法をキャンセルしたり、無機物から魔力を抽出したり、
相手の魔法を別属性に変えたりする魔法さ。」
変形型かよ、しかも魔法をキャンセルするなんてチートだな。
仕方ない、"あいつ"を使うか。
「炎帝。」
相手の頭上から炎の剣が降ってきた。あいつは間一髪で避けたが、焦ったような顔をして、
「魔力構築がキャンセルできなかった。だと?」
「簡単な話だよ?魔力構築ができないのなら魔力構築をしなければいい。」
「即効魔法か?でもこの威力を即効魔法でできるなんてチートかよ。」
そっちの魔力も十分チートだよあーほ。まあそろそろ決着をつけますか。
「サモン、ファイアーローズドラゴン。」
そう言うと、床から魔法陣が出てきて、魔法陣からは恐ろしい赤い鱗の龍が出てきた。
春キャベツは神話上の生き物が床から出てきて唖然としている。
そしてその赤い龍は、見た目とは裏腹の可愛い声で
「ご主人、待ちくたびれました。もう1年経ちましたよ。」
「悪い悪い、でもその姿は街の人が困っちゃうから人間の姿に戻れー」
そう言うとめっちゃでっかいドラゴンはちっちゃい女の子になった。
「とりあえずあの白髪メガネを倒してくんね?」
「嘘嘘嘘、やめてKOHA9さん、話し合いしよっか。ね、ね、」
そう焦った声で言う春キャベツに対してドラゴンは、究極爆炎魔法を放った。
俺は感嘆として見ていたが、あまりの大きさにびっくりし、急いで町を守る用の決壊を貼った。
そのでっかい炎の玉は容赦なく春キャベツの元に降り注いだ。俺があいつの敵じゃなくてよかった。
でもあんだけでかい衝撃をやったのにまだ生きてるよあの人。さすがだな。
「KOHA9、あんたの強さはよーくわかった。今度会うときはまたやり合うからな。」
「逃すか。」
そう言いドラゴンは春キャベツを捕まえる。やつも間に合わなかったらしい。取り押さえられてしまった。
その騒ぎを聞いてウィングがやってきた。
「どったの?あ、こいつがスパイなのね了解。」
そう言うとウィングはいつもの魔法が使えなくなる紐を用意し、春キャベツに縛りつけた。安らかに。
さっきまでの笑顔が裏腹に、春キャベツの顔面を見ると、
「ふざけんなよ?俺たちの国に入ろうとしちゃあ100年はえ~よ。」
そう容赦ない一言を発した。この人おっかねぇ。
こうして無事今日の仕事は完了し、直行で家に帰ろうとした。そしたら甘堕が物欲しそうな目でこちらを見つめてくる。
「しゃあねえ今日は助かったし家まで送ってってやるよ。」
そう言うと、甘堕さんが嫌な顔して
「........しょう。」
「は?」
「転移結晶をください。」
流石に物欲センサー半端なすぎだろ、人におねだりする額間違ってるだろ!!でも命を助けてもらったしなぁ。
「考えておく。」
そう言うと甘堕は嬉しそうな顔をした。
全てが終わって家に帰ってきた。そしたら玄関に六花が来て、ドアを開ける。
「おかえりKOHA9さん。今夜ご飯でk...」
どうやら六花の視線にファイアーローズドラゴン(女の子ber)が入ったらしく、六花の顔が真っ青から真っ赤になった。
「KOHA9さん!!!また女の子をたぶらかして!!!いけない子なんですね、よくないですよKOHA9さん。」
「いやいやこれはそのー、俺の使い魔だから。」
そう俺は慌てて弁明しようとするが、良いタイミングでドラゴンが、
「ご主人様~お腹すいた~。」
どうやらこの一言が最大の地雷だったらしい。
「KOHA9さん、人にご主人様呼びされて嬉しそうですねぇ。」
「これは...その...」
「ふざけないでくださあああああああああああああああああああああい。」
この後六花にちゃんと説明した。