元最強魔法使いは森の中でスローライフ
ウィング
第十四話「激戦」
「嘘だろ、altoさん」
これがaltoさんか、黒髪に青メッシュ。ウィング団長にそっくりじゃねぇか。
「ウィングがまずい。」
ヌーイが助太刀に行こうとするところを俺は全力で止めた。
「お前がここでウィングの手助けをしたらお前がこっちのスパイっていうことがバレるだろ。」
「じゃあKOHA9さんが行けよ、あのままだとウィング死ぬぞ。」
そうヌーイが言うと俺はニヤけて。
「あいつなら大丈夫。だってうちの団長だから。」
ウィングは影分身を使い、自分の分身を作り出し、altoの背後をとった。分身が後ろから攻撃しようとするのをaltoが受け止める。
その隙にウィングが剣を突きつけ切り掛かる。
「おい、お前がふーたん帝国のスパイだな。」
「ああ、そうだけどなんか?」
「殺す。」
altoにそう言うと、ウィングはノータイムで雷魔法を出して相手をシビラせた。しかしaltoは一瞬でそれを防ぎ反撃の剣技を繰り出した。
「ブラックライト。」
altoの姿が消えた。と思ったらウィングの後ろに立ち剣を振るう。
ウィングは咄嗟に受け止めるが、少し受け流しに失敗したのか怯む。
そのすきにaltoは「残念だったな。」と言いウィングに剣を全力で振る。
この瞬間、見ている全員がウィングが死ぬと思った。
しかしウィングは微笑んだ。
altoが剣を刺すとウィングは消えた。
その瞬間ウィングはaltoに向けて「残念だったのはお前だよ」と言いながら背中を切った。
その剣技は命中した。altoは致命傷を負い、「よっしゃ勝てた」と言いながらウィングが縛りつけようとすると、横から緑のもじゃもじゃ頭の人が飛びかかってきた。剣を全速力で振るう。
咄嗟に防御壁を建てたウィングだが、altoにも気を配ることができず、致命傷を負ったaltoを連れてモジャモジャは帰って行った。
「あいつは誰だ?」
俺がヌーイに聞くと、信じられそうな顔をして。
「まじかよ...あれはseitaさんだ。あいつはうちの国の騎士団副団長だ。altoさんとseitaさんの騎士団トップの2人が来るなんて...ふーたんは本気だな。」
「というかそのふーたんって誰だよ。」
そう質問すると、ヌーイは
「うちの国王。って言っても女王様だけど。結構わがまま。」
なるほど、女なんだ。
とにかく俺は他のスパイを見つけ出さなければいけない。
「KOHA9さん。今日は遅いので帰って良いですか?」
「ああいいよ、お疲れ~。」
そういうとヌーイは帰って行った。
しかしふーたん帝国か、思ったよりも恐ろしいかもしれん。
ーー魔力信号を受信 膨大な魔力を検知しましたーー
膨大な魔力?そう思いながら上を見ると、謎の巨大な隕石が落ちてきている。目算だとあれはあと20秒くらいでこの街に落ちるだろう。
高威力の魔法を打つ?それじゃあ砕けた破片が散らばってしまう。じゃあどうする?
いや、魔力を全部使って消失魔法を繰り出せばいける!!
ーー魔力量最大出力 最大威力の消失魔法ーー
ーー成功ーー
俺はこの隕石を止めることに成功した。そうしたら空から拍手の音が聞こえる
「アハハ、俺の魔法を食い止めることができるなんて。しかも建物を壊さないようにするために消失魔法にしたのかな、すごいすごい。」
俺はこの様子だと戦闘になると思い、マジックバックの中からポーションを飲んでそこらへんに投げ捨てた。
「まあ知っての通り俺はふーたん帝国の使者だよ。」
と言うか白髪メガネってなんかヌーイくん言ってたような...あ!!
「冬レタス!!!」
「微妙に違うね、うん。俺は春キャベツだよ。と言うかよく名前知ってるね。うちらの中に内通者でもいるのかな?それともうちの国にスパイがいる?どっちにしろわかんないわ。
そういえばそっちの国の団長がaltoくんをやっつけたみたいだね。すごいすごい。じゃあ君強そうだし早めに片つけちゃいますか。」
そう言うと春キャベツはいきなり雷魔法を使った。咄嗟に結界魔法を使ったが、スレスレだった。
「あぶねえな。」
「まあそれは仕方ないよね。」
こいつの攻撃は当たるとヤバそう。それなら俺は
ーー移動速度上昇 身体防護力増強 魔法出力時間短縮ーー
ーー成功ーー
俺は走りながら爆炎魔法を放ちまくった。しかし全てかわされてしまう困ったものだ。
「雷神」
そう春キャベツが言ったとたん、俺の元に魔法が打ち放たれた。俺はその攻撃をモロに喰らってしまい、瀕死状態になった。
「じゃあね、君。」
そう言いながら春キャベツはウィンドカッターを俺の元に打った。俺も死を覚悟した。
その瞬間ウィンドカッターが弾き返されて、俺に回復魔法がかけられた。
「KOHA9さん大丈夫?とりあえずあいつが敵なのね。」
そう言い応援にきたのはらぴちゃんでも六花でもない。
甘堕さんだった。