元最強魔法使いは森の中でスローライフ
ウィング
第十一話「炎の中の家」
俺とらぴさんは咄嗟に結界魔法をかけたが、さっきまで爆睡していた六花のことを思い出した。
「六花ちゃん!」
らぴさんが炎の海の中へ入っていく。
俺も水魔法でこの炎を消そうとした。しかし、魔法をしようとしたら犬耳のやつから攻撃された。
「おい、そこの犬耳!ふざけんな!」
「俺のことはヌーイって呼んでくれへん?KOHA 9さん。」
やつから飛んでくる炎の球はどれも早く、回避するのがやっとなほどだった。俺はらぴちゃんに大声で
「水魔法を使え!早く。」
と叫んだ。しかしらぴちゃんは水魔法が使えなかったらしい。
「しゃべりながら戦うん?お前余裕やな!」
そうヌーイが言っているうちに、らぴちゃんが
「六花ちゃん見つけた!早く手当しないと。」
「じゃあKOHA9さんじゃなく初めは六花さんから殺そっかな~。」
そういうと六花の元へヌーイは一目散に飛んで行った。
ーープログラム起動 転移魔法ーー
ーー成功ーー
奴の手が届く前に、らぴさんと六花さんをグラスタの街に飛ばした。
「おい、ヌーイって言ったかな。お前の相手は俺だよ。女に手を出すとかダセーな。」
奴を挑発すると、そいつはまんまとキレて
「は?やってやろうじゃねえかよこの野郎!」
第二バトルが開始した。
しかし俺のような巨大魔法の使い手はすばしっこいやつは苦手なんだよな。
そう考えている間にも、奴は撃つ手を止まず火炎弾を撃ちまくっている。
俺も負けじと閃光魔法を使い、相手を怯ませようとするが、2秒ほどスタンしたくらいですぐ復帰しやがる。
「どうした?俺を怯ませようとしてばっかで攻撃しねえの。」
一つ一つの言動がイライラする。いや、なんでこんなに日和ってんだ?あいつは六花を傷つけた張本人だぞ。
そう考えた瞬間相手に慈悲なく攻撃を打ち込めるようになった。
ちょこまかと攻撃するので、最大規模の攻撃をしたいと思う。
「最大閃光、ベテルギウス。」
奴に目が焼き切れるほどの光量をお見舞いしてやった。
予想通り相手は20秒くらいのスタンに入った。20秒なら余裕だ。
ーープログラム 4大元素を構築
暗黒魔法の大魔法構築 光属性構築 痛覚を10倍 全自動治癒 感触時間1/1000 ーー
ーー成功ーー
「秘技、スピリットイーター」
説明しよう スピリットイーターとは最大規模の攻撃と最大規模の治癒を繰り返し相手に痛覚を覚えさせる禁断の魔術である。また、全状態異常をつけ、痛覚を10倍にし、
1000分の1の時間の進みにする。要するに、3秒で体感50分の死よりも強い痛みを覚えさせ、そして回復するの繰り返す無限ループである。
1分程度でやめてあげたが、あっちからしたら約17時間も最悪の苦しみを味わったことになる。大体の人がショック死する。その名の通り精神を破壊する。
「はぁ、やっと終わったのか。長かった。もう関わらないようにするからやめてくれ。すまなかった。」
奴の目には涙が溢れる。相当辛かったんだな。わかるぞその気持ち。
「いいか、人の家を壊して、同居人に怪我をさせた。これは弁償ですね弁償。」
「お、俺金持ってねえよ。」
そう言い逃れするヌーイに対して「もう一回あの魔法かけてみる?今度は1分じゃすまないかもね~」と言ったら渋々了解した。
俺は六花が心配になり、俺もグラスタの街に飛んだ。
心配したのが嘘だったかのように六花は俺に向けて
「どうだったの?戦い。もちろんKOHA9さん強いから勝ったよね!」
とキラキラした瞳で言ってきたので。
「懲らしめてあげたよ。しかも家の修理代出してくれるってさ。」
「新しい家欲しい!」
六花が提案した。
実際3部屋しかないあの家だと、俺はソファーで寝るしかなくなってしまっていた。もう少し大きな家が欲しいと思う。
まあ実際魔法使えば建設はできるんだけど、お金をぼったくるために仕方のないことだ。うん。
そんなこんなで話していると。ヌーイくんがこの街まで来た。
「すいませんこの度は。こちらお約束のお金になっております。お納めください。」
なぜか敬語になった。それもそれで気持ち悪い気もするが、今回ばかりは目を瞑ろうじゃないか。
「よし、次は家を作るぞ~!!」
「おー!!」