元最強魔法使いは森の中でスローライフ
ウィング
第七話「森」
この森にはいろいろな野菜、果物がある。
ちなみにこの森はグラスタの森からすぐ近くの森で、この家は街から約10マイルほど離れたところである
※1マイル≒1609m
そしてさらに奥のザヘル山を超えたところにあるのはゲルムスタシア王国である。
そして俺たちは農作物を育てて売り、そのお金を生業として生きている。
「俺たちが栽培している農作物はたくさんあるが、シュールクスやトルトス、レイガ―など、季節によって栽培してるものを変えてるんだ。」
らぴさーんは目を輝かせて
「シュールクスってあの美味しい果物ですよね!!よく貴族とかにも食べられている。1個約銅貨24枚で売られてるので少し手が出しずらいんですが、
たまにお祝い事とかあったりしたとき食べてます。」
俺は感心して
「食べ物とか詳しいんだね、小食なイメージあるけど、それこそ草とか食べてそうな。」
「誰がうさぎですか!?まあウサギは好きですけど...」
しかし何か殺しにかかってきたのが嘘みたいに結構話してるな...俺もここまでとは思っていなかったし。
「たまにウィングさんにも[らぴちゃんなんかいっつも食べてない??]って言ってるし。」
ウィング、ってあのウィングか?しからが忠告してきた相手の...そういえば俺のこと殺しにかかってるってしからが言ってたな。
「ウィングさんについて聞きたいんだけど...」
「あ~ウィングさん?知ってのとおりゲルムシタシア王国の騎士団長だけど、最近妙な噂が立ってるんだよね~」
噂~なんだそりゃ、というか俺がなぜ殺されなくてはいけないんだ?
「なんだってKOHA9さんの暗殺計画とか企ててるらしいからねぇ。」
それを本人の目の前で言えるの本当にすごいと思うわ。でもこのことはしからに聞いてたから驚かない。
「あとウィングさん自分で喫茶店開いたとか。」
マジで関係なさ過ぎて草なんだけど。というかあの不器用な団長が喫茶店なんて開けるわけがない。
そんなことを思っていた次の瞬間
「あああああああああああああああああああああああああああああ」
森の中から男性の悲鳴が聞こえてくる。
俺とらぴさーんは「誰かが襲われてるのかも。」と話し、声のあった場所へ走っていった。
森を3分ほど走ったころ、らぴさーんが森の中の何かに気づき
「あそこじゃない。」
と、俺に声をかけた。そこにはポイズンベアーが男性に襲い掛かっていた。
「ポイズンベアーか...」
ーープログラム起動 光属性魔法形成中ーー
ーー成功ーー
「ライトニングアロー」
俺が放った光の矢は相手の心臓まで貫いた。
「大丈夫ですか?。」
らぴさんは襲われていた中年の木こり??の人に話しかけた。
「あ~ごめんごめん、助けてくれてありがとう。」
「ここで何してたんですか?」
俺は気になって話しかけた。なんだってここは近くの集落からかなり離れたところにいる。
襲われるふりをした刺客ということも考えられる。
「あぁ、この近くの人だったんですね。私セリウットと言います。ゲルムスタシア王国の調査員やっています。
国王様がこの近くまで領土を広げたいとおっしゃっていたので。グラスタよりも先の森を開拓するために…」
俺はこの話を疑問に思った。この森は魔物が多く人も寄り付かない場所だ。そこを開拓するのは非常に危険だと思う。ウィングの知り合いで俺に用があるのか?でもわからん。
「とにかく、ポイズンベアーの死骸、持ち帰ろっか。」
ポイズンベアーってあの猛毒のやつだよな。解毒も大変な毒のやつをわざわざ持ち帰るのか?
「ポイズンベアーは美味しいんだよ?。」
俺の頭の中はますます真っ白になった。
「ポイズンベアーは爪に大量の毒を持ってるからそこは取り除くけど。肉にはそこまで毒ないから、解毒魔法をちょっとかければ食べれるようになるんだよねぇ。」
この子食に関して貪欲すぎる。尊敬するわ。
「では私はこれで。あ~そういえば救ってくださったお礼にこれを差し上げます。」
そういうとおじさんはよくわからないチケットを3枚渡して去っていった。
「喫茶店の招待状…?」
「六花行きたい!おしゃれな喫茶店行ってみたい!」
そう六花の猛アプローチに、俺は渋々その喫茶店に行くことにした。