元最強魔法使いは森の中でスローライフ
ウィング
第六話「真実」
「あれは、1ヶ月半ほど前のこと、らぴちゃんは知っていると思うが、この世界を支配する魔王「セカイ」によって、我々は全滅した。
元々パーティWORLDは、王国内外の有能な冒険者たちがせかい討伐のために集まったパーティだ。
そして集まったのが4人。リーダーの勇者ライファー、知恵とトラップのK、回復と毒のぱぴこ、そして戦闘系魔術の俺だ。
4人はとても仲が良く、魔王軍たちを勢いよく殲滅させた。
そして魔王戦。最初はいいペースだったのだが、ライファーが強烈な重力魔法に負け、戦闘不能になるほどの頭に傷を負った。
続いてKも俺たち2人を庇い戦闘不能に、ぱぴこも大ダメージを負った。おれは咄嗟に回復魔法をかけようとするが、後ろから魔王の攻撃が来て、俺も死んだと思った。
しかし、Kが俺の後ろに結界を張っていたんだ。そして俺は腹に多少の傷は負ったものの、命に別状はなかった。
回復魔法をぱぴこにかけようとするが、俺の手を振り払った。
「お前、このままだと死ぬぞ!!なんで回復させてくれないんだよ!?」
ぱぴこは今にも泣きそうな目で俺に向かってこう言った。
「私たちはもう死んでしまう。だからあなただけでも………お願いだから…生きて!」
あいつはそう言い彼ら彼女ら3人の魔力を振り絞り、転移魔法を発動した。
「嫌だ、俺はここでお前らと一緒に死ぬんだ!やめてくれ、自分たちのために使ってくれ……」
そう言いながら俺は生温かい光に包まれ、この魔王城を後にした。
そして転移した先が六花の家の前だったってこと。いいかわかったな!?」
その話が終わると、六花もらぴさんも泣いていた。
うんうん妹のらぴさんなら泣いてるのもわかるよ、でも六花はなぜ泣いてるの?この話感動的だった?
「KOHA9さんがぁぁぁ、こんなに強かったなんてぇぇぇ。」
いや論点絶対そこじゃねえだろ、おれは一ミリも自分最強エッヘンなんて言ってないからなー
あーもうこいつら(特に六花)のツッコミどころが多すぎる…。
「でもどうして六花さんはKOHA9さんのことを家に泊めようと思ったの。」
「そんなん決まってんじゃん、顔と声がタイプだったからだよ!」
誰かこいつのこと殴ってくれ、イライラしてたまらない、もう疲れた、、、
そう思っているうちに、俺は急に視界が真っ白になってきた。
目が覚めると、いつものベッドの上だった。
「あ!やっと起きたKOHA9さん!今もう昼ですよー」
そういえば昨日はほとんど寝ていないから疲れて寝てしまったんだった。
「というからぴさーんは起きてるのか?」
「あ、うん。というかあの子寝てないんだよ。」
俺は驚き布団をひっくり返して食卓へ向かった。
「あ!KOHA9さんおっはよ~。お昼ご飯もう食べてるよ~。」
そう呑気に言うらぴさーんに俺は思わず
「寝てないのか?」
と質問した。そうしたら
「あ、うん。私寝なくても生活できるから。」
そのらぴさんの発言に俺は色々考えた。
ユニークスキルなのか?
いやいや特殊体質なのには変わりないのだが、分からん。
「まあまあ、寝なくても生活できるっていっても1日に3時間くらいは寝ないとちょっと辛い。」
なーんだただのショートスリーパーかよ。
心配して損したわ。
食事をとり終えると、らぴさんはこんな質問をした。
「ちょっと農場見せてくれない?」
俺は快く了解した。