元最強魔法使いは森の中でスローライフ

ウィング

第五話「救出」

「らぴさん!!」
そう叫んでる間に俺は吹き飛ばされた。
ーープログラム起動 結界ーー
ーー成功ーー
俺は吹き飛ばされたあと、結界を身体中に貼り、らぴさんの元へ急いだ。らぴさんはからだがぼろぼろになり、絶命しているようだった。
「俺はまた人を殺したのか...」
そう思っていたが、微かではあるが脈がある。
「また、あんな思いはしたくない!!」
ーープログラム起動 回復魔法陣ーー
ーー大成功ーー
「死なせてたまるもんですか!!」
俺は決死の思いでらぴさんの治療に励んだ。俺の魔力も尽きかけそうになった時、らぴさんは無事目を覚ました。
「え、私があなたのことを殺そうと自爆して、、、」
「ああ、そうだ。俺のことは恨んで構わないが、人殺しなんてしてお前の姉が喜ぶとは思わないけどな。」
「本当ぉぉにぃぃごめぇんなぁざぁいぃぃ。私が間違ってたぁぁ」
泣きながら俺に寄りかかってきた。人殺しはやってはいけないけど、姉のためにしようとしたことだし、許そう…?
「お前か?エピオンを殺したのは。」
「ええそうよ?あなたの好感度を下げさせるため。」
その言葉を聞いて俺のテンションは爆下がりだ。しょーもない理由で王子を殺すな。
「ちなみにKOHA9さんの変装を募集したのって...~」
「え?それは私知らないよ?」
まじか...それは見当違いだな、じゃあやっぱりウィングが俺の変装を募集してたのか。
王国にはあんまり顔出さんとこ。
でも一応らぴさんは国家転覆罪になるのか。そうなると多分極刑になるだろう。そうなるとぱぴこも悲しむ…。
「おいらぴさん。俺の家に住むか?」
「え…/// それって同棲しろってこと?男女1人ずつ同じ屋根の下で??」
「あと女はお前で2人目!!。」
「それってもう2人っきりで生活してるってこと…//。」
あーもう説明し難い。いっそ泊めないかな。
「で?返事は」
「まぁ他にすがるところないし良いよ!!」
「あのなぁ、人に頼む態度ってもんがあるだろぉ?」
「すいませんお願いしたく存じ上げます。」
「よろしい。」
こうして長かった夜も終わり、陽の光がさしてきた頃じけんは終わりを告げた。
国王には、俺は問い詰めたら自殺したと言っておいた。あの陛下が信じているかどうかは別として。
そして我が家に新メンバーが加わった!
「どーこーがー我ーがー家ーだー!」
六花はご立腹の様子でこちらを睨みつける。
「まぁまぁこれに関しては許してくれ。」
そう俺が慌てて言うと、六花はさらに俺を睨んだ。
「ここは私の家なんですけど?勝手に人を呼ぶのはやめてください!」
そうしたら、らぴちゃんが六花の肩をポンっと叩き
「これよかったら使ってください。」
と言い小袋を差し出した。
中身を覗いてみると、そこには金貨が10枚ほど入っていた。
※ちなみにお金の価値は銅貨約32円で、50枚で銀貨一枚、銀貨50枚で金貨1枚。つまり金貨1枚8万円となる。
「ま、まあそれなら良いんじゃないかなー」
六花が動揺した様子でこちらを見ている。実に滑稽だ。
「ところでKOHA9さんと六花さんは2人で住んできるんですか?」
らぴさんはそうぶっ込んだ。俺もあまり話したくないのだが、この際、過去と向き合うためにも2人に話そうかなと思う。
「めちゃくちゃ暗い話になるが聞いてくれるか?」
そう2人に問うと、2人は自身ありげな顔で
「もちろんでしょ!」
と言った。その顔を見て安心し、俺は今まで塞がっていた口を開けた。