元最強魔法使いは森の中でスローライフ

ウィング

最終話「再会」

くっそ!嵌められた
現世と行き来する門も壊れ、俺たちは死ぬ寸前まで来ている。
奴は俺たちを殺す気だった。
「まって、転移魔法も妨害される。」
くっそどうすれば...どうすれば。
そう考えてると、Kが
「どっかに奴のコアがあるはずだ!そいつを壊せばいける。」
あまり喋らないKがこんなにも必死で喋っているなんて珍しい。まあ死ぬ寸前だから仕方ないけど。
俺は走馬灯が見えてくる。
『KOHA9さん!諦めちゃダメ!』
六花の声だ。六花が俺に怒っている。
惨めな顔をしちゃダメだ。最後まで、最後まで意地を見せなきては。
ーー捜索魔法ーー
ーーセカイの魔力を感知、ここから1km先ーー
無理だ。この遠さだといけない。
『KOHA9さん!諦めちゃダメ!!』
六花の声が頭に響く。いや、じゃあ俺はどうすればいいんだ。
いや、高速飛行だったらギリ間に合う。
ーー移動速度上昇Lv100 飛行魔法lv100ーー
ーー大成功ーー
俺はコアのところまで全速力で走った。
「いっけええええええええええええ」
見えた。あれが奴のコアだ。間に合うか!?
「ジスク!!!!!!!」
コアを消失させた。これで爆破までのカウントダウンが治った。
残り時間を見てみると、残り0.1秒だった。
俺は転移魔法を使い、この世界を離れた。
魔物だらけだった現世もすっかり平和になり、WORLDのみんなで喜びあった。
その数日後、国王の召集でWORLDが表彰を受けた。
「諸君、この者たちがこの世界を救った救世主だ。永久に語り継がれるだろう。」
国民から歓喜の声が沸いた。しかしセカイを倒した今、WORLDの宿命はなくなり、解散することになった。
「ライファー、ぱぴこ、K、今まで本当にありがとう。一生忘れない。俺たちは一生繋がってる。」
そう別れの言葉を告げると、何故か俺は誰かから転移魔法を受ける。
ここはどこかで見覚えのある建物だ...あ!HIIROの塔!!
「KOHA9さん。おめでとう。」
そうHIIROが言った。
「ありがとよ、HIIRO、お前のおかげで全てがうまく行った。」
「そうか、こんな魔力でも感謝してくれる奴はいるんだな。」
HIIROは微笑んだ。
「ところでHIIRO、お前は何故このことを知っている。」
「あ~、なんかあの後セカイに呼ばれて、この世界に来たんだよねぇ」
あのクソ魔王!!!くたばってなかったのかよ!!!!
「ところでなんだが、とあるゲストの方に来てもらってる。こいつだ。」
そう言うと、HIIROは奥にあるドアを開けた。そこには六花が居た。
「KOHA9さ~~~~~~~~~ん」
六花は俺に突進して抱きついてきた。
「よかった、本当に良かった。」
俺は泣き出してしまった。いや?ふと我に返る。
「というかなんで俺のこと知ってる?この時系列だとお前は俺のこと知らないはずだろ。」
そう言うとHIIROが
「あ~セカイが六花もこの世界に呼んだんだよね。死んでる魂から。あとらぴさんも。」
あの魔王用意周到すぎて怖すぎる。まあそんなことはどうでも良くて
「六花、家に帰るぞ。」
「もちろん。」
俺たちはいつもの森の家に帰った。

とある夢を見た。ふーたん帝国と戦い、六花が死ぬ夢。まあそんな現実はもうない。
「...さん....」
「....くさん....」
「KOHA9さん、起きてください!!!!今日はシュールクスの収穫の日ですよ!!」
「はいはい、おはよう六花、らぴちゃん。」
Fin