元最強魔法使いは森の中でスローライフ

ウィング

第一話「街」

「グハッ」
勇者の断末魔と鉄のような嗅ぎ慣れた匂いに包まれる。
みんなの悲鳴を聞き吐き気のするような気分の悪さを起こす。
あぁ、これは俺に向けられた罰なのか...
仲間を見捨てて逃げていった俺への罰なんだ。

「.......さん......」
「....はくさん....」
「KOHA9さん起きて~~!!!]
吐き気を纏いながら俺は起きた。
「あぁ、おはよう六花」
「もー、今日は朝早く起きてシュールクスの収穫でしょ!」
※シュルークス...リンゴのような果物
「あーはいはいそうだったな。ちょっと待て」
そう強がり六花に言い、俺は部屋から出てトイレに行った。
「あぁ、いつもの夢か...オウェッッ」
トイレの中で早くしてよね~と六花の声が聞こえる
何故俺はみんなを見捨ててしまったのだろうか
罪悪感が交わりながら俺はあいつらの言葉が頭に浮かぶ
「・・・お願いだから...生きて!!!」
「もー、KOHA9さん、いっつもボーっとして!!早くご飯食べてください!」
「あいあい、って今日はこれだけなん?」
皿に乗っていたのはパンとサラダのみ。質素すぎる、ヤバい
「お金が無いの、ほら見て、これしかない。」
そういって六花は銅貨20枚を取り出した
※銅貨1枚約32円
「全財産??」
「はいそうですけど?」
「ヤバくね」
「ヤバいですけど」
「これ今日夜無い感じ?」
「無い感じ」
俺は慌てて飯を食い、シュ―ルクス畑に向かう。
「慌てすぎですよ!!今かご持ってきますから。」
--システム起動、風魔法を構築中--
--成功--
魔法はイメージだ、風魔法で手を形成するように...
「よーいしょ!」
そういうと風に乗られてシュールクスは宙を舞い、六花の籠にホールインワン!!
「もう!危ないなぁ!」
「いやいやごめん急がなきゃな~て。」
「じゃあこのまま町へ行こう!」
--システム起動、時空を調節中--
--成功--
「それじゃあ掴まってろよ。」
「いきなりかよ、も~~」
目を開けるとレンガ作りの家がたくさんある街へ着いた。
「早くこれ売りに行くから。お前は買い出し行ってくれ。」
「でもお金...売り終わったらあそこの角の店に来てね!!絶対だからね!!」
そういうと、俺たちは冒険者ギルドに行く。ここにはいろんな冒険者たちがいっぱい居る。
ここはクエストの受注だけではなく、いろんなものを売ってくれる場所でもある。
そして俺はフードを被りこのギルドへ入る。
「シュ―ルクス、買い取ってくれ。」
俺は顔を見られないようにしてカウンターのエルフに話しかけた。
「シュールクスが125個ですか。ちょっと待ってくださいね。」
「全部で銀貨58枚と銅貨40枚です。」
「ありがとな...」
俺は足早にこのギルドを立ち去ろうとした。
「ちょっと待って。」
誰かに肩をつかまれた、この感じは多分女性だな。しかし聞き覚えのある声だな...
「あなたKOHA9でしょ」
「え?」
俺は振り向いた、そこに居たのは元ギルドメンバーの妹、ラピだった。