絶望と嘆きの果て、君たちは何を望む

ウイング

第四話「作戦実行」

GOの合図とともに、俺たちは走り出した。
甘堕さんは音を出さないように見張りを気絶させ、ゴジラさんは毒を使って眠らせた。
案の定敵にはバレていない。
ところでウィングさんは休日にカジノに行くらしい。なんだってポーカーが趣味だそうで。
1−4のなけなしの給料でカジノに明け暮れ、そこからスパイの仕事をする。
大分頭のおかしいことをしているが、まあ心底どうでもいい。
今は目の前のことに集中。あの2人が守ってくれるとはいえど案外きついな。
そしてうちの相棒のkazuさんはなんかリュックに持ってきているし。
なんか足取りが重そうな気がする。大丈夫か?
というかあの人こんなに太ってたっけ?
そう考えながら敵の門のところまで来た。
そこは二重ロックがかかっており、常人なら8分くらいかかるだろう。
「おいおいヌーイ君ほんま大丈夫?これ結構辛そうやけど。」
kazuさんが心配してくれた。でも俺は
「全然余裕っしょ。」
そう言いながらピッキングツールを取り出した。
ふんふん、これは36型に似てるな...でも結構複雑な構造してる。でもここをこうしてこうで...
「空いた!!!」
1個目は完了、2個目は...
これもさっきのと似てる。まあそれなら....
「よし完了。」
タイムは35秒か、悪くはない。
「お前ほんますごいな!!!」
そうkazuさんが褒めてくれた。俺は
「それほどでも無いですよ、次へ進みましょう。」
とかっこいいことを言いながら、少し笑みを隠しきれていなかった。
ーーーーーーーーー
前違う案件できた2−1から頂いたマップを参考に、ここからバイオ科学研究室に向かう。
その道中、罠のようなものがあったが、これもスパイの学校で習った通りにやったらうまくいった。
また、警備員などもいたが、銃声を出すと目立つので、催涙ガスを使って目をくらませ、そこから手刀
そして難なくバイオ科学研究室に着いた。
そこの扉には見たことのない装置と、そこの横に数字が書いてあり、ピッキングでは到底開けられそうにないものだった。
「あはは、これはパスワード式のドアだね、最先端の科学技術によって作られた代物だよ。」
kazuさんが笑いながら解説する。そしてkazuさんはよくわからんリュックの中から変なものを取り出した。
「それなんですか?」
kazuさんは俺の話を聞かず、耳にモールス用のヘッドフォンをつけて、何やらよくわからない箱をその装置に繋げた。
そこから3分後、kazuさんが装置をかちゃかちゃいじるところを見ながら過ごしていたら、突如ドアが開いた。
「え、こわ」
「まあこれは最新のPCで、持ち運べるんだ。」
「そこらへんの知識はあんまりないので勘弁してください。」
そう、俺は電子とか機械とかにめっぽう弱いのだった。
そこから俺たちは、特に何も起きず、データとサンプルを取って帰ってきた。
しかし外に出ると状況は一変する。
外に出で待っていた2人がいない。
「ウィングさん。どう言うことですか?何があったんですか?」
無線で連絡をとる
「返事が...ないね...」
kazuさんが答える。
「ほんまどうしよ。なんか嫌な予感するけど、とりあえず帰還船に乗って帰るか。」
kazuさんが一つ提案をした。なんかあの3人なら大丈夫そうだけど。
そんな会話をしていると、後ろから猛烈な殺気に襲われる
嫌な予感がして避けた0.3秒後に、後ろから狙撃された。
なるほど、最初から仕組まれてたってわけか。
そう考えていると、kazuさんが狙撃された音がした。
そしてkazuさんが胸のところで血を流している。
俺は咄嗟に物陰に隠れ、首に手を当てた。
脈は...ある。
そしてkazuさんが何か言いたげな表情でこちらを見ながら口をパクパクさせている。
「ち...の...り...」
チノリ....血糊??こっわこの人。撃たれる前提で血糊とライフル弾用の防弾チョッキ付けてるんだけど?
そんなことを考えていると、ウィングさんが走ってきた。
「悪いな。相手に周波数がバレた。無線を使って指示するのは不可能だと思い、こちらにきた。あれ?kazu死んでる...?」
「あーこれ、血糊で誤魔化してるだけです。本人は無傷だそうで。」
「ふーん。やばいなこいつ。まあ良いとして、無線を切ってから何があったか説明する。」
銃声が鳴り響く中、ウィングさんは事情を説明した。
「無線がジャックされ、その後すぐに2人が奴らの元に攫われた。」
説明じゃなかった。一行で終わるんかい。まあ1分くらいこの後の説明をした後、全員で敵陣に乗り込んだ。
あ、もちろんkazuさんは生き返りました。